大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(ネ)1102号 判決

控訴人北川は、本件売買契約に関し被控訴人の主張する「関係官庁の許可、認可ないし行政指導による了解」なるものは、法令上の根拠を欠き、仮にかかる停止条件を附していたとすれば、右は法律上不可能というべきであり、それは既成条件として無条件と解すべく、また所謂「行政指導」なるものは、当該官庁の内部における通達に起因しようが、或いは係員の個人的意見の結果であろうが、いずれにしても法令に定めた許可認可に代らしめる効力を有するものでないから、この点においても無条件に帰すべきものであると主張する。

(中略)当時事実上の行政措置として運営せられ、またこれに協力を余儀なくせられた関係業者として、前示契約を締結するに至つた控訴人北川及び被控訴人も、かならずしも許可認可に関する法令上の根拠に重きを置くことなく、かかる行政運営の実際に着眼し、本件取引につき許、認可類似の形で事実上の行政措置として行われていた関係官庁の了解を得ることが、取引の円滑な実現のため必要のものである事実を認識し、これを以て該契約の停止条件としたものと推認するに難くなく、何も「認可」という用語に拘泥して解釈すべきではないし、また、当事者の意思がかくの如きものである以上、右行政指導による了解なるものが法令上の根拠に基ずくや否やにかかわりなく、これを停止条件とすることは法律上有効であつて、既成条件として無条件に帰すべき理由はない。

(斎藤 坂本 小沢)

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